計量士は「計量管理」を職務とする者です。ここで、「計量管理」とは「計量器の整備、計量の正確の保持、計量方法の改善その他適正な計量の実施を確保するため必要な措置を講ずること」(法第109条)ですが、計量管理技術の高度化に伴い、「計量管理」の内容は、計量の対象、計量の目的、計量の手法、使用する計量器の種類等あらゆる面において専門化してきています。特に、近年における環境問題に対する社会的関心の高まりに伴って、騒音、振動、有害物質の濃度等環境に係る計量管理の重要性が強く認識されているところです。このような事情を背景として、計量管理の一層の適正化を図るため、計量士をその専門とするところに伴って、専門とする分野において活動させることが必要であるとの見地から、計量法の一部改正(昭和49年5月2日公布、法律第42号)により、計量士の登録の区分を設けることとし、これに伴う省令改正(昭和49年10月31日公布、通商産業省令第86号)によりその区分の内容を「環境計量士」と「一般計量士」の二つに区分しました。
その後、通商産業大臣から「新時代の計量行政の在り方について」の諮問を受けた計量行政審議会は、平成3年8月、国際化、技術改革への対応及び消費者利益の確保といった観点を踏まえた答申を通商産業大臣に提出しました。その中で、計量士国家試験については、現在の環境計量士になろうとする者は、濃度、騒音、振動両分野の知識、技術の取得が必須とされながらも、両分野はそれぞれ化学分野、物理分野と要求されている知識、技術が異なり、両分野の業務を行う者の数は多くないことに鑑み、環境計量士の化学分野の濃度関係と、物理分野の騒音・振動関係に分割することが望ましいと報告しました。この答申を受け、計量法の改正作業が進められ、新計量法(平成4年5月20日公布、法律第51号)は、平成5年11月1日から施行されました。これに併せ、省令改正により、計量士の区分は、環境計量士(濃度関係)、環境計量士(騒音・振動関係)及び一般計量士の3区分となりました。